研究部概要

熱帯医学マラリア研究部では、マラリア学を中心とする熱帯医学の研究成果をもって、グローバルヘルスに貢献することを所掌する。 以下の2つの柱の研究を行う。 

  1. マラリアを中心とする熱帯病、新興・再興感染症などの国際的感染症の制御に関する研究 
  2. 開発途上国を中心とする地域の健康格差の是正を目標とした国際医療協力研究

これらの研究テーマを遂行するために、下記の3つの旗を立てて、それぞれの基盤・臨床・疫学研究を展開している。具体的には:

  1. 1国際的感染症の疾病メカニズムの解明に関する研究
    1. aマラリアのワクチン開発研究
    2. bマラリアを中心とする寄生虫症の病態形成機構解明のための基盤的研究
    3. c 開発途上国の水系感染症、食品媒介感染症に関する基盤研究 
  2. 2開発途上国を中心とする疾病の蔓延を防止するための社会技術開発研究
    1. aマラリアを中心とする寄生虫症の国際的制圧戦略に関する疫学研究
    2. b開発途上国における水系感染症、食品媒介感染症の制圧研究
    3. c国際保健医療協力プロジェクトの実施・評価に関する研究
  3. 3わが国の国際的感染症の防疫に関する研究 
    1. a海外旅行者の健康管理及び疾病予防に関する研究
    2. bマラリアを中心とする輸入寄生虫症の感染制御に関する研究
    3. c寄生虫症の新しい診断・治療法の開発に関する研究

新着情報

IPLのPaul Brey所長に変わり、8月1日からPhilippe Buchy博士が新所長として着任します。
(写真上)Brey所長の慰労とBuchy博士の歓迎を兼ねて、小林賢一駐ラオス日本国特命全権大使が公邸で昼食会に招いていただけました。左から:石上室長、Brey所長、小林大使、Buchy博士、松浦謙二 在ラオス日本国大使館医務官
(写真下)JICAラオス事務所を表敬訪問しました。SATREPSのJICAプロジェクトも、Buchy新所長のマネージメントで8月に始まります。左から:長瀬利雄 JICAラオス事務所長、Buchy博士、石上室長、Brey IPL所長

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第18回The International Society of Travel Medicine (CISTM18)がスイス・バーゼルの国際会議場で開催され、狩野部長はマラリアの予防ガイドラインに関して、日本の渡航外来での運用状況についてシンポジウムで議論しました。駒木研究員は、抗原検査法の偽陰性例について、post-zone effectをポスターセッションで発表討議しました。
(写真上)登壇してスピーチする狩野部長
(写真下)ポスター発表をする駒木研究員

Perpetue Vincent博士(NCGM研究所客員研究員)は、2018年に熱帯医学・マラリア研究部で筑波大学大学院の博士を取得し(指導教官、狩野繁之・筑波大学人間総合科学研究家博士課程教授、併任)、日本パスツール財団および在日フランス大使館の支援を受けて、パリ・パスツール研究所でポスドクをしています。パリで、私たちと3年ぶりの再会を果たしました。
(写真)パリ・リヨン駅そばのビストロで。左から、駒木研究員、中津特任研究員、Vincent博士

IPLサッカー大会に、SATREPSプロジェクトを展開するLaos-Japan Parasitology Laboratoryのメンバーも元気に参加しました。
(写真)左から:Sonesimmaly Sannikone (Lab-technician)、Moritoshi Iwagami (Lab-manager)、Pheovaly Soundala (Lab-technician)、Phonepadith Khattignavong (Scientist)、Phoyphaylinh Prasayasith (Junior Scientist)

「世界マラリアデー」を記念し、熱帯医学・マラリア研究部では、NCGMセンター病院中央棟アトリウムで、マラリアの流行状況や同研究部の活動報告に関するポスター展示を行いました。この3年間のコロナ禍で、世界のマラリア患者数は増加傾向を示し、年間2億4700万人(WHO, 2022)に至りました。狩野部長は「今こそ、世界のゼロマラリアを目指す新たな決意を示さねばなりません」とのメッセージを発信しました。

「熱帯医学・マラリア研究部」は、1998年4月1日に国立国際医療センター(名称当時)研究所「適正技術開発・移転研究部」に狩野部長が着任した時から計算して25年が経ちました。現在の研究部への名称変更は、2010年にセンターが独立行政法人となった時に行いました。現在の研究部員で、小さなお祝いの会をしました。

認定NPO法人Malaria No More Japan(MNMJ)共催で、吉本興業所属の国際夫婦漫才師(フランポネ)を招いて「マラリア談話会」を開催しました。マラリアを題材とした漫才を、参加者と一緒に考えて実演する参加型のミーティングでは、一般市民のマラリアに対する認識を、漫才を通して拡散する手法を開発できるのではないかと考えました。
(写真)前列左から、フランポネの2人。MNMJの皆様と狩野部長(後列右)

Paul Brey所長とは2014年からのSATREPS projectで正式に共同研究を開始し、その終了後の3年余りも、IPLとNCGMのMoUを締結して国際共同臨床研究を続けていましたが、3月末をもってPaul Brey所長はOfficialにIPL所長を退任しました。長年の共同研究の成果を確認するとともに、今後のNCGMとIPLとの発展の方途を語り合いました。
(写真)IPL玄関のパスツール胸像の前で(左)狩野部長、(右)Brey所長

当該AMEDの研究事業におけるマラリア領域「マラリアに対するLAMP法の臨床性能試験及びWHO-PQ取得への活動」および「XN-31プロトタイプ(フローサイトメトリー法)の臨床性能試験」の国際共同臨床研究(マヒドン大学熱帯医学部とNCGMのMoUに基づく)の研究終了会議を、バンコクで開催しました。今後のデータの共有および学術報告、そして社会実装の方策について議論しました。
(写真)前列左:狩野部長、右:Srivicha Krudsoodマヒドン大学教授)。後列:NCGM/DIT、栄研化学(株)、シスメックス(株)からの参加者

JICAラオス事務所とラオス保健省マラリア学・寄生虫学・昆虫学センター(CMPE)が、SATREPSプロジェクトを実施するためのRecord of Discussion(R/D、討議議事録)に、JICAラオス事務所の長瀬利雄所長とラオス保健省CMPEのVirasack Banouvong所長が署名しました。署名式には、保健省副大臣、保健省感染制御局の局長、ラオス保健科学大学学長、ラオス熱帯公衆衛生学研究所の関係者などが多数参列しました。
(写真)(前列)左:長瀬利雄(JICAラオス事務所長)、右:Virasack Banouvong(CMPE所長)(後列左から)Thanaphone Nanthalath(JICAラオス事務所)、Darouny Phonekeo(IPL副所長)、石上盛敏(NCGM室長)、Paul Brey(IPL所長)、Phayvanh Keopaseuth(保健副大臣)、Bounthome Samountry(ラオス保健科学大学長)、Rattanaxay Phetsouvanh(ラオス保健省感染制御局長)、Phonepraseuth Sayamoungkhoun(同感染制御局副局長)、Khoutkeo Nam Saat(CMPE副所長)、Bouavanh Homsap(CMPE秘書)、Khampheng Phongluxa(ラオス熱帯医学公衆衛生研究所副所長)

3月7日(火)〜3月10日(金)まで、フィリピン・マニラAcacia Hotelで開催された日米医学協力計画(U.S.-Japan Cooperative Medical Sciences Program)に基づく国際会議「環太平洋地域新興感染症国際会議(International Conference on Emerging Infectious Diseases in the Pacific Rim)」及び、「寄生虫疾患部会日米合同会議(U.S.-Japan Joint Parasitic Diseases Panel Meeting)」へ出席し、「日米医学協力計画を基軸にしたアジア汎太平洋地域に拡散する寄生虫疾患に関する研究」の成果報告ならびに討議をおこないました。
狩野部長は日米医学寄生虫疾患部会長として、専門部会会議をChairし、当研究部からは石上室長、駒木研究員が研究成果を発表しました。

パネルセッション「ゲームチェンジャーをいかに早く広く現場に送り出すか?」では、狩野部長が、マラリア排除の課題と戦略について話し、写真のメンバーでパネルディスカッションを行いました。
詳細はこちらから。

(写真)左から、國井修(GHIT, CEO)、加藤誠也(結核研究所、所長)、岡田美広(富士フィルム、部長)、川崎昌則(大塚製薬、PL)、狩野繁之(NCGM、部長)、金子洋介(SORA Technology, CEO)、ピーター・サンズ(グローバルファンド事務局長)

ラオス国立パスツール研究所(Institut Pasteur du Laos: IPL)Paul Brey所長は、SATREPSプロジェクト(日本側研究代表者:石上盛敏室長、2023−2027年度)のMoU(NCGM-IPL)に署名するために来日しました。この機会を捉えて、Brey夫妻を狩野部長のふるさと群馬県伊香保温泉にお連れして、研究打ち合わせをゆっくりと行いました。
(写真)伊香保温泉石段にて。左から、Antoine des Graviers IPL事務局長、Brey令夫人、Brey所長、石川NPJ/CFO、石上室長、狩野部長

コロナ禍で出場を控えていたマラソン大会。そんな中、東京オリンピックのメイン会場である国立競技場スタート/フィニッシュの新宿シティーマラソン大会が復活。10kmの部で、狩野部長、矢野上級研究員、大濵研究補助員、皆元気に完走しました!

調査期間中、IPLをはじめとするラオス側パートナー機関との面談、並びにフィールド視察を実施しました。ブンフェン・プンマライシット ラオス保健大臣(写真右から5番目)の表敬訪問も行いました。

狩野部長が、10月27日バンコクで開催された「第20回 世界熱帯医学・マラリア学会」の総会で、世界35カ国/地域の熱帯医学関連学会で組織されている「世界熱帯医学会連盟(International Federation for Tropical Medicine: IFTM)」のVice PresidentおよびPresident-electに指名されました。
(写真)右から4人目:狩野部長、右から6人目:マス・コーマ前理事長、左から3人目:ジョーンズ理事長)

2022年3月から9月にかけて、JICAからIPLへ、COVID-19検査に必要な消耗品・機材等(総額 617,525米ドル分)が供与されました。前年からの石上室長のJICAラオス事務所への要望が実現しました。
(写真)(上)IPLに運びこまれる供与物資、(下)供与を記念するプレートにはJICAの文字が刻まれた

「相川正道賞(MASAMICHI AIKAWA MEDAL)」は、故相川正道博士のマラリア学における功績を記念して、マラリア学の発展に寄与した研究・業績に対して一般社団法人日本熱帯医学会が表彰するものです。狩野繁之部長の「マラリア制圧法の社会実装にむけた研究成果」が、第11回の受賞対象となり、10月9日に大分県別府市で開催された日本熱帯医学会総会において賞状とメダル・副賞が授与されました。
(写真)左:狩野部長、右:金子 修 日本熱帯医学会理事長

8月10日、狩野繁之 研究所 熱帯医学・マラリア研究部部長が「令和4年度 外務大臣表彰」を受け、授与式が外務省で行われました。
外務大臣表彰は、国際関係の分野で活躍し、わが国と諸外国との友好親善関係の増進に多大な貢献をしている個人・団体のうち、特に顕著な功績のあった活動を称えるとともに、それに対する一層の理解と支持を国民の皆様にお願いすることを目的としています。
狩野部長は、熱帯感染症の研究者として、20年以上にわたり開発途上国のマラリア政策立案に貢献し、国内外の学術発展や人材育成にも尽力しました。
また、海外在留邦人のマラリア事案の安全・安心に大きく貢献しているとして、林芳正外務大臣から直接に表彰状ならびに副賞を授与されました。
(写真上)提供:外務省(写真下)表彰状および副賞を受けた狩野部長

7月15日に、ビエンチャンの日本大使公邸で授与式が行われました。
(写真)(右から)ポールIPL所長、石上室長、ブンコン前保健大臣、ダルーニ IPL副所長

2022年は沖縄でゼロマラリアが確認されてから60年の年です。これを記念して、認定NPO法人マラリア・ノーモア・ジャパンが主催するイベント「マラリアって何?私たちと蚊・マラリアの歴史~講談・狂言・ミニシンポジウム~」が企画され、沖縄県石垣島市民会館で6月25日(土)に開催されました。
トークセッション「歴史から学ぶ感染症対策~戦後の石垣島のマラリア対策における公助・互助・自助~」では、狩野繁之研究所熱帯医学・マラリア研究部長が登壇し、沖縄のマラリアの歴史、そして戦後のGHQによるマラリア対策、保健所などの地域行政の取り組み、住民参加によるゼロマラリア達成までの道のりと課題、そして世界へのメッセージを語りました。また展示場では、狩野部長による自筆のマラリア関連書画作品や、同部長所有の「国際マラリア防遏事業記念切手(1962年)」コレクション(沖縄を含め66カ国)が公開されました。
(写真)上:狩野部長と自筆書画作品、下:トークセッションの様子

(写真)(右から)泉田隆史JICAラオス事務所員、長瀬利雄 JICAラオス事務所長、Nanthalath Thanaphone JICAラオス事務所員、Paul Brey IPL所長、石上盛敏 NCGM研究所室長

SATREPSプロジェクトは開発途上国と日本の研究者が、国際共同研究を通して地球規模課題の解決に向けて取り組む研究開発プロジェクトで、JICAとAMEDが共同実施するものです。私たちは、ラオス保健省ラオス国立パスツール研究所(IPL)を拠点に、2023年から5年間のプロジェクトを実施します。
ラオスでは現地の検査方法では診断できないマラリア、淡水魚の生食によって感染するタイ肝吸虫症、メコン川に入ることで感染するメコン住血吸虫症などの寄生虫症が、医療施設から遠い僻地の村で流行しており、公衆衛生上の問題だけでなく経済発展の妨げになっています。そこで本プロジェクトではNCGMとIPLが中心となり、これら寄生虫症の診断技術とサーベイランス能力の向上、パルス電流により魚に寄生するタイ肝吸虫を殺して生で食べられる安全な魚を提供する技術の研究開発、僻地に暮らす少数民族への健康教育などを実施し、SDGsの目標の一つ「すべての人に健康と福祉を」の達成に貢献します。
https://www.amed.go.jp/news/release_20220519-besshi01.html
https://www.jica.go.jp/press/2022/uurjcd000000fau1-att/SATREPS.pdf

4月25日は「世界マラリアデー」(World Malaria Day)です。2030年までの世界のマラリア排除(elimination)を目指して、様々なイベントが世界中で同時に開催されています。本年度も、NCGM病院アトリウムで、世界のマラリア流行状況や当該研究室のマラリア対策に関わる国際協力/研究内容を、ポスターにして掲示しました。
中谷比呂樹NCGMグローバルヘルス人材戦略センター長(中央)と狩野繁之部長(左)
また、今年は「鐘馗様」を画した墨絵作品(狩野繁之/筆)も展示しました。鐘馗様は、唐の皇帝玄宗がマラリアにかかった時、玄宗の夢に現れて病を治したことより、厄除けのiconとして端午の節句などでも飾られます。

NCGMとInstitut Pasteur (IP)(仏国パリ)およびInstitut Pasteur du Laos (IPL)(ラオス人民民主共和国ヴィエンチャン)は、2022年3月、NCGMとIP、NCGMとIPLそれぞれのMOUの延長に合意し、同年4月21日にNCGM國土理事長がまず署名を行いました。
(写真)MOUに署名する國土理事長
詳しくはこちらから。

世界エイズ・結核・マラリア対策基金(グローバルファンド)のピーター・サンズ事務局長(写真前列中央)が、4月20日~21日にかけて日本を訪問しました。超党派の議員からなるグローバルファンド日本委員会の議員タスクフォース及び官民の有識者によるアドバイザリーボードの合同会合での意見交換を行いました。
来日中の諸会合での主要メッセージ詳細はこちらから。

狩野繁之部長の調整により、NCGMはInstitut Pasteur NetworkとInstitut Pasteur du LaosとのMOUの延長に合意し、令和4(2022)年4月21日にNCGM國土典宏理事長が署名をしました。パスツール研究所ネットワークとNCGMは、互いの研究機関としての長所を再確認することで、感染症やその他関連する疾患の予防や治療、流行対策に資する共同研究の世界展開を目指します。
(写真)(前列右から)ミリアム・バラタン在日フランス大使館科学技術担当官、國土NCGM理事長、在日フランス大使館ディディエ・マルティ=ドシュ科学技術参事官(後列右から)針田企画戦略局長、池田国際医療協力局長、狩野部長、石坂研究所副所長、市川国際医療協力局医師(JICAラオス専門家)詳しくはこちらから。

高橋(松本)エミリー研究員は、平成26(2014)年4月に当研究部の研究員として着任以来、フィリピンやラオスのマラリア流行対策にかかる社会科学研究で成果を上げてきましたが、令和4(2022)年4月1日付で、聖路加国際大学公衆衛生大学院健康・行動科学分野講師に異動になりました。当研究室では、引き続き客員研究員として、JAXAとの共同研究を進めます。

「Global Health Award」は「グローバル健康・医療戦略2020」の趣旨に合致する顕著な貢献を行った職員を表彰し、以てセンターのグローバルヘルスへの取り組みをさらに推進するために、令和3(2021)年11月に設立されました。狩野繁之部長の研究功績「アジアのNCGM臨床研究拠点(タイ・マヒドン大学/ラオス国立パスツール研究所)における国際共同研究開発」が、第1回の受賞対象となりました。
受賞式の報告はこちらから。

令和3(2021)年2月11日に、小林賢一ラオス日本国全権大使が、ラオス国立パスツール研究所の当研究部寄生虫ラボを視察しました。
(右から)石上NCGM室長、小林大使、ブレイIPL所長、ダルーニIPL副所長

NCGM國土理事長が大会長を務める「第6回国際臨床医学会学術集会」が、令和3(2021)年12月11日に開催されました。狩野部長は事務局長を務めました。
(写真)(前列右から)武見敬三参議院議員、國土典宏理事長、(後列右から)北潔長崎大TMGH研究科長、狩野繁之部長、針田哲企画戦略局長
詳細はこちらから。

4月25日は「世界マラリアデー」(World Malaria Day)です。マラリア排除をめざして、様々なイベントが世界中で同時に開催されています。4月23-25日に、NCGM病院アトリウムで、当該研究室のマラリア対策に関わる国際協力や研究内容を、分かりやすくポスターにして掲示しました。また今年は「マラリア de 書」と題した、マラリアや蚊をモチーフとした作品(狩野繁之/書)も展示しました。

2021年3月24日に、狩野繁之部長は、NCGM國土理事長より永年勤続表彰されました(2018年4月1日に遡って勤続20年)。記念品の銀杯が下賜されました。

2020年8月20日に、竹若敬三在ラオス日本国全権大使と足立 大使館医務官が、ラオス国立パスツール研究所の当研究部寄生虫ラボを視察しました。
(右から)竹若大使、ブレイIPL所長、石上NCGM室長、足立医務官

石上盛敏 室長は、平成16年4月に当研究部の流動研究員として着任以来、22年に上級研究員、そして26年7月からは5年間、ラオス国立パスツール研究所(ラオス—日本寄生虫研究室:SATREPSプロジェクト)のJICA長期専門家を務めました。SATREPSプロジェクトの研究成果をリードし、ラオス若手研究者の人材養成における成果も認められ、このたび室長に採用されました。

6月29日、30日の両日、「ぶ~ん蚊祭—もっと知ろう!蚊の世界」というイベント(実行委員長:当研究部 一盛和世 客員研究員)を、NCGMも後援して日本科学未来館で開催しました。日本初の「蚊学入門」イベントとして、生きた蚊やボウフラの観察コーナー、蚊の文化イベント(浮世絵、絵画、書の展示、うた、落語などのパーフォーマンス)、専門家による媒介感染症連続講義、殺虫剤関連会社の商品展示/歴史コーナーなど、たくさんの子供連れの来場者にも楽しんで学習してもらえ、延べ3,000人余りに訪れていただけました。

当研究部 スチューデントリサーチャー・Vincent Jeanne Perpetueが、筑波大学連携大学院人間総合科学研究科一貫性博士課程を修了し(指導教官:狩野繁之/筑波大学(併任)教授)、5月31日付けで「博士(医学)」の学位を取得しました。4年間の博士課程では、母国ハイチでのマラリア疫学研究を中心に成果を挙げました.引き続き、当研究部の特任研究員を務めます。

4月25日は「世界マラリアデー」(World Malaria Day)です。マラリア流行国の人びとのことを思って、様々なイベントが世界中で同時に開催されています。NCGM病院アトリウムで、当該研究室のマラリア対策に関わる国際協力や研究内容を、分かりやすくポスターにして掲示しました(写真)。

見逃した方は、研究所当研究部(B棟3階)の廊下に引き続き展示してありますので、お立ち寄りください。

サンリオとの協働で、キティーチャンネルでもYoutube配信を行っています(当研究部HPにも動画バナーを張り付けました)。是非ご覧下さい。

夕食会では、日本料理を頂きながら、5年間のプロジェクトの成果報告とお礼を引原大使に申し上げ、大使からはねぎらいの言葉と今後の活動への激励を頂いた。特に本プロジェクトにおけるラオス国立パスツール研究所(IPL)と協働した人材育成にかかる成果には、同席したポンメーク元保健大臣、ブンコン保健大臣からは祝着の言葉も頂けた。本プロジェクトは4月末で無事終了となった。

(写真)(前列右から)引原大使、ブンコン保健大臣/IPL理事長、石上NCGM研究員、ポンメーク元保健大臣、ボアシー元CMPE所長、米山JICAラオス事務所長、(後列右から)ポールIPL所長、長岡JICA調整員

狩野繁之研究所 熱帯医学・マラリア研究部部長が一般財団法人 貝原守一医学振興財団(選考委員会:九州大学医学部寄生虫学講座同門会)から「第2回 宮崎一郎賞」を受賞しました。「ラオスにおける包括的マラリア対策研究」が評価されました。

(写真)狩野繁之部長(右)と多田功選考委員長(左)

H.E. Ms. Awa Marie Coll Seck, Minister of State to the President, Republic of SenegalとDr. Lauri Garrett, Senior Fellow for Global Health, Council on Foreign Relations, USAが、NCGMを訪問し、当該研究部を見学しました。コール・セック氏は、2004〜2011までRoll Back Malaria Partnershipの理事・代表を務め、狩野部長ともWHOの会議等で旧知の仲。ローリー・ギャレット氏は、1996年に「Coming Plague」(映画「アウトブレイク」の原作)を著してピューリーッツア賞を受賞。狩野部長は1997年に米国CDCに留学中、ギャレット氏の講演を聞く機会があり、親しくツーショット写真や著書にサインをいただいており、それを21年ぶりに披露することが出来ました。当研究部を訪問いただく機会が両氏に得られたことが、大変光栄で喜びです。

(写真)狩野部長(左)、ギャレット氏(左から2番目)、コール・セック大臣(右から2番目)、駒木研究員(右)

石上盛敏研究所 熱帯医学・マラリア研究部上級研究員が、公益財団法人大山健康財団から「第1回 竹内勤記念 国際賞」を受賞しました。NCGMにおける石上研究員の永年の国際共同研究活動、特に、ラオスSATREPSプロジェクトでの5年間の研究業績が評価されました。

(写真)石上盛敏上級研究員(右)、故竹内勤先生令夫人(中央)と神谷茂大山健康財団理事長(左)

熱帯医学・マラリア研究部 狩野繁之部長は、20年以上にわたり在外大使館等に派遣される外務省医務官に対するマラリアの知識および対処方法などの実践的な研修を行ってきました。この研修を通した在外公館職員の健康管理への多大な貢献に対し、外務省から狩野繁之部長に、森本康敬 ・大臣官房会計課福利厚生室長および仲本光一・共済組合診療所長名で、2月14日に感謝状が授与されました。

11月16日に、パリで開催された「パスツール研究所国際ネットワーク感染症シンポジウム」で、石上盛敏熱帯医学・マラリア研究部上級研究員が日本人として初めて「ロベール デシェン賞」を受賞しました。ラオスSATREPSプロジェクト での研究業績および人材育成が評価されました。

9月20日に、熱帯医学・マラリア研究部 狩野繁之部長が、タイ王立マヒドン大学から名誉博士号(熱帯医学)を授与されました。伝達式では、シリントン王女から直接に学位記を頂くことができました。狩野部長の同大学との永年の研究協力関係と日本の熱帯医学における指導的な立場が評価されました。

熱帯医学・マラリア研究部の狩野繁之部長が、平成30年7月14日に那覇で開催された「第29回日本臨床寄生虫学会総会」で、学会賞を増田剛太理事長より受賞しました。学会賞は、臨床寄生虫学における基礎・臨床・対策研究等において顕著な成果を挙げ、その貢献が著しいと認められる者に贈られる賞です。永年にわたるマラリアの診断・治療に係る臨床研究での業績が認められての受賞となりました。